AWSとDevOpsによる課題解決
クラスメソッドは、リトル・ママの技術パートナーとしてAWS環境の構築と、DevOps環境の整備を目的とした技術支援という形でサポートしました。
同社のシステムには「インフラの分散」「デプロイの不安定さ」「インフラエンジニアの不在」という3つの課題がありました。長年VPSなどを都度契約したことで接続コストが高くつく環境、不明瞭なフレームワークという“負の遺産”によってリリースのたびに起こるトラブルなど、リトル・ママCTOの和田さんはかつてのインフラを「エンジニアが見たら嫌になるような状況」だったと振り返ります。
同社は複数のクラウドサービスを検討し、最終的にクラスメソッドとのやり取りから「単なるインフラ構築ではなく、私たちと近い距離で支援をしていただける可能性を感じた」ことで、それまで実務では未経験だったAWSの導入に至りました。また、その期待はAWS環境構築だけでなく、DevOps支援という形にも寄せられていました。前職でアジャイル開発の社内エバンジェリストとしての活動もされていた和田さんは、DevOpsの採用によって本当の意味でのアジャイル、スクラムの実現ができると考えていました。
「DevOpsに期待しつつも、そのふわっとした概念がこれまで咀嚼できていませんでした。けれど期待感はずっと持っていて、それが今回システムを刷新してDevOpsを導入したらうまくいくんじゃないかと思ったんです。話をしていく中で『これが私の中での長年の課題だったんだ』と気付きました」(和田さん)
契約期間 | 2018年8月〜10月(3カ月) |
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チームメンバー | 藤村新、若林駿典 |
職種 | DevOps支援室マネージャー、DevOpsエンジニア、営業 |
業種 | 出版 |
ソリューション | AWS総合支援サービス「クラスメソッドメンバーズ」、DevOps導入支援サービス「DevOpsメソッド」 |
DevOpsエンジニアが中心となり、DevOpsの技術と文化についてリトル・ママのエンジニアにレクチャーを行いました。
クラスメソッドは技術支援に先駆けた打ち合わせを7月からスタート。まずはAWS環境の構築を8月から開始します。それに並行する形でDevOps支援も始め、同月の後半にはリトル・ママ福岡本社勤務のエンジニアに向けて、ハンズオン形式でCI/CDパイプライン構築をレクチャーし、AWSのコード系サービスであるCodePipeline、CodeBuildの構築を支援しました。まずクラスメソッドが設定ファイルを作り、リトル・ママ側でそれらをブラッシュアップしていくという形で、一連のデプロイ作業を密接にご案内しました。
新体制によるシステムは10月に稼働を開始しました。現在は旧環境の情報を徐々に新システムへと移行するよう作業を重ねています。今後は、本番環境でのDockerの稼働や負荷対策など、同社は新しい仕組みでのサービス運用を行いながらどんどん拡張していくフェーズに入ります。リトル・ママの和田さんも社内でのAWSの知見を深めながら、DevOps環境を強化することに意欲的です。
「私がジョインする前の体制は『ただ動けばいい』という考えが強かったと思いますが、今回のインフラ刷新により開発部内の意識は大きく変わりました。CI/CDの仕組みがあることで、開発していくスタイルのフレームワークが導入されると同時に、注意すべきところ、やらなきゃいけないところに気づけました。そして会社としても、AWSを便利に活用し、先進的なものを取り入れてサービスを提供しているという認知を広げていきたいですね。やることはいっぱいあって大変ですが、そこは自分としても楽しんでやっていきます」(リトル・ママ和田さん)
「これまでサービス基盤にDockerを採用したことがなかったのでやれるかどうか若干不安がありました。しかし、弊社が課題に感じていた開発環境と本番環境の違いから起こる不具合はDockerでやることで発生しなくなると思ったし、チャレンジしたい気持ちもありました。クラスメソッドはそこに対しても非常に丁寧にサポートしていただいて。福岡のメンバーも絶賛していましたね」とリトル・ママの和田さんはいいます。
こうして2週間〜1ヶ月という短期リリースを繰り返し、デプロイ前後のトラブルも最小限にするという環境が整備され、意欲的な規模拡大をロードマップとして組み込んでいたリトル・ママにとって理想的な開発体制が成立しました。
支援を通じて効果を感じられたポイントとして、和田さんからはテスト意識についてもご評価をいただいています。
「それまではテストへの意識が薄く『やんなきゃね、でもシステムが動けばいいでしょ』というところも正直あったくらいでちゃんとはできていませんでした。それが今ではテストをメインでやりたいという珍しい人もいるくらいで、結果としてリトル・ママの開発文化の“意識が高く”なったと思います。今は、一連の自動デプロイの流れの中で強制的にテストが入ります。仕組みとしてテストをやれるし、その結果も自動で表示される。こういう仕組みと考えはとてもよかったと思います」
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